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第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

心に沁みたはちみつのど飴

優子

 

 いつからでしょうか、6歳の娘との関係がギクシャクし始めたのは。
 きっかけは下の息子の妊娠中に切迫早産で絶対安静になり、パパと過ごす時間が増えたことでした。産後は上の子可愛くない症候群もあり、厳しく接してしまいました。
 とにかく娘はパパとばかり遊びたがるようになりました。小さい頃の娘はパパ嫌期もあったくらい私にべったりだったのに。勝手なことですが「あんなにママママ言っていたのに、、」という寂しさや嫉妬もあり、余計に娘と距離ができてしまいました。
 そんな時、娘が手足口病にかかり、息子にも感染。2人が治った頃に私にもうつりました。高熱だけでなく、子供達は腕や足にのみできたブツブツの湿疹が喉にもできて、痛みで水も飲み込めない状態に。看病疲れもあって寝込んでしまいました。
 見かねた夫が仕事から早く帰宅し、子供達を連れてドラッグストアに食べられそうなものを買いに行ってくれました。
 帰宅した娘の手に握られていたのは、はちみつのど飴。私が好きでよく買っていたものです。夫が言うには、飴売り場で娘が「ママはこれ!」と真っ先に手に取ったとか。あぁ娘はちゃんといつも私のことを見てくれていたんだなと思いました。
 その日の夜、娘が「おたのしみばこ」と書いた箱をくれました。中には「ママとパパどっちもすきだからあんしんしてね。ほんとはママがいろいろやってくれるからやすませたかったんだ」という手紙が。息子が生まれて忙しそうな私を気遣い、遊びたくても我慢してくれていたようでした。私より娘の方が遥かに大人でした。はちみつが喉に染み、娘の優しさが心に沁みた夜でした。
 下の息子も一歳を過ぎた今、娘と2人で自転車で出かけ、カフェでお茶する時間をとっています。未熟なママだけど、これからもよろしくね。

 

(完)

 

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